司法書士 池田千恵のブログ

家族信託・相続・遺言・親の終活をテーマに、わかりやすく解説していくブログです

養子縁組で相続税を節税

Q55 養子縁組をすれば、相続税を節税できると聞きました。節税の目的で養子縁組をすることは、許されるのですか?

A 実際に、相続税の節税対策として、養子縁組をすることがあります。

 養子縁組をすれば、法定相続人がひとり増えるからです。

 基礎控除額が増え、生命保険金・退職手当金の非課税枠も増えます。

 

 養子縁組は、市町村役場で養子縁組届を提出すれば、簡単にできます。

 養子になる人、養親になる人、そして20歳以上の証人2名が署名押印します。

 

 「養子縁組届を出した」ということは、「養子縁組をするのだ、という意思があった」ということになります。

 養子縁組をする目的が相続税の節税であっても、養子縁組をするのだという意思で養子縁組届を書いて、提出しているわけですから、養子縁組は認められます。

 このことは、「親子関係を作る意思がない、節税対策のためだけの養子縁組は無効ではないか」として争われた事例で、「節税の動機と養子縁組の意思は併存できる」という最高裁の判断(平成29年1月31日判決)がされています。“節税目的の養子縁組は、有効である”ということです。

 

 ただ、注意したいのは、「養子縁組をすると他の法定相続人の相続分が減る」ことです。

 法定相続人が長男と長女の2人のみであれば、法定相続分は長男1/2、長女1/2。

 ここで、長男の子(つまり孫)を養子にした場合、養子は実子と同じ相続権があるので、法定相続分は、長男1/3、養子1/3、長女1/3となります。

 長女は1/2の相続権があると思っていたのに、知らない間に父が長男の子と養子縁組をし、自分の相続権が1/3に減っていた!これはびっくり!そう簡単に納得できそうにありません。もめる元となりそうです。

 

 相続税の節税のために養子縁組をすることは、有効です。

 しかし、それが相続で“もめる元”とならないよう、あらかじめ、他の法定相続人とも、よく話し合うことが必要でしょう。

 

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