司法書士 池田千恵のブログ

相続・遺言・親の終活をテーマに、わかりやすく解説していくブログです

「台湾、同性婚合法化へ」から考える、日本の相続のこと

「台湾、同性婚合法化へ」

『台湾の憲法裁判所に当たる司法院大法官会議は、平成29年5月24日、同性婚を認めていない現行民法は「違憲」とする判断を示し、2年以内の法改正か関連法の制定を求めた。実現すれば、アジア初。(平成29年5月25日付け中日新聞より)』

 

台湾のこの決定は画期的ですね!

理由として、

民法(台湾民法)の婚姻規定は、子供を産むことを前提条件とはしていない。

 自然な妊娠によって子供を授かることができない同性カップルについても、そのことを理由に婚姻を認めないことは、合理性を欠く。」としているそうです。

 

 

 現在の日本では、同性婚は認められておらず、法律上の婚姻ができません。

法律上の婚姻ではない、つまり「事実婚」では、お互いに相手の相続人となることができません。法律上の配偶者ではないので、相続権がないのです。

 

相手方に財産を相続してもらいたいと考えれば、遺言、ときには養子縁組も駆使して(例:片方が相手方の養子になる)、法的に財産が移転するようにしておかなければなりません。

 

 「夫婦別姓を選択し、法律上の婚姻をしていない」という方も同様です。

 

今の日本の法律で、どのようにしたら相手方に(または嫡出ではない子供に)財産を相続させることができるのか、方法の選択と実行が必要です。

 

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〒444-0813
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0564-54-6330

前妻の子は半分?

Q42 父が亡くなりました。母は先に亡くなっています。相続人は長男である私。他に父と前妻との間の子が一人います。相続権は、前妻の子は私の半分だから、私3分の2、前妻の子3分の1ですよね?

A いいえ。違います。

再婚後の子も、前妻の子も相続権は同じ。2分の1ずつです。 

 

改正前の「非嫡出子は嫡出子の2分の1」という規定をどこかで知って、

「前妻の子は自分の半分だ」と勘違いをされたのでしょう。

(なお、非嫡出子とは、法律上の婚姻をしていない男女間の子。嫡出子

とは婚姻関係にある男女間の子のこと。)

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配偶者(母)がすでに亡くなっているので、相続人は子。

(もちろん離婚した前妻は、たとえ生きていても相続権はありません。)

前妻との間の子も、再婚後の子も、被相続人父の「子」です。

その場合は人数割。つまり、「子」が2人いるので、相続権は2分の1ず

つとなります。

(なお、前妻との間の子も嫡出子。再婚後の子も、嫡出子です。)

 

もし、前妻との間に子供が2人いたら、次のようになります。

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「死後離婚」のデメリット

Q41 夫が亡くなりました。今後は、私は私の人生を歩んでいきたいと思っています。しかし、亡夫の両親は、私のことを「ウチの嫁」という感覚でこき使い、将来の介護要員にしようと思っているようです。そこで、「死後離婚」をしようと考えていますが、注意すべきことがありますか?

A「死後離婚」という法律用語はありません。

 ここで「死後離婚」と言っているのは、「姻族関係終了届」のことです。

夫婦が婚姻したことによって作り出された、妻と、夫の両親や兄弟姉妹等との関係(もしくは夫と、妻の両親や兄弟姉妹等との関係)を、夫婦の一方が死亡した後に、終了させる届出です。

 

 夫婦の一方が死亡した場合において、生存配偶者が姻族関係を終了させる意思を表示したときは、姻族関係は終了します。

 

 しかし、子供がいる場合には、注意が必要です。

 あなたは亡夫の両親や兄弟姉妹等との縁が切れますが、あなたの子供と、亡夫の両親等の関係は切れません。あなたの子供と亡夫の両親は、血のつながった、実の祖父母であり、実の孫です。この縁を切ることはできません。孫には祖父母の財産を相続する権利があり、孫と祖父母は、お互いに扶養する義務があります。

 

 また、この「姻族関係終了届」と共に「復氏届」を出せば、婚姻前の姓に戻ることができます。しかし、子供がいる場合には、「自分と子供の姓が違う」という状態になるので、注意が必要です。子供がすでに結婚して、相手方の姓を名乗っている場合などは問題ないでしょう。けれど、特に子供がまだ未成年の場合などには、注意が必要です。

 

 亡夫の供養(お墓の管理や法要など)は誰が行いますか?亡夫の両親が行う場合、あなたは無視される恐れがあります。

 

 この届出は、一度提出すると、「やっぱり止めた」とは言えません。よく考えてから、届出をしましょう。

 

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「死後離婚」の方法は?

Q40 「死後離婚」をしたい場合は、亡夫の両親たちと話し合いで決めるのでしょうか?

A「死後離婚」という法律用語はありません。

 ここで「死後離婚」と言っているのは、「姻族関係終了届」のことです。

夫婦が婚姻したことによって作り出された、妻と、夫の両親や兄弟姉妹等との関係(もしくは夫と、妻の両親や兄弟姉妹等との関係)を、夫婦の一方が死亡した後に、終了させる届出です。

 

 夫婦の一方が死亡した場合において、生存配偶者(生きている夫婦の一方)が姻族関係を終了させる意思を表示したときは、姻族関係は終了します。

 夫が亡くなった場合、妻が「姻族関係終了届」をすれば、亡夫の両親や兄弟姉妹等との関係が切れる(終了する)のです。

 この届出は、亡夫の両親と話し合って決めるものではありません。また、家庭裁判所に届け出て、許可をとるものでもありません。“意思を表示”をすれば良いのです。つまり、自分で届出をすれば、終了します。

 

 届出は、自分の本籍地または住所地の、市区町村役場にします。亡夫(もしくは亡妻)の死亡の記載のある戸籍謄本、自分の身分証明書(運転免許証等)と印鑑を持って行き、死亡した配偶者の氏名・本籍及び死亡年月日と、必要事項を記入すれば、出来上がりです。

 

 届出方法は、至って簡単です。

 考えるべきなのは、この届出をした場合のデメリットでしょう。

 

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「死後離婚」?

Q39 最近、「死後離婚」という言葉を見聞きします。死後に離婚するとはどういうことですか?

A「死後離婚」という法律用語はありません。“造語”です。

 「姻族関係終了届」のことを、インパクトの強い言葉で「死後離婚」と言っているようです。

 

 「親族」という言葉があります。

 「親族」とは、1. 六親等内の血族

        2. 配偶者

        3. 三親等内の姻族 です。

 「血族」とは、血縁関係にある人。血がつながっている人ということです。

父母、祖父母、曽祖父母、子、孫、ひ孫などが直系血族。兄弟姉妹、おじ・おば、おい・めいなどは傍系血族です。

  なお、養子縁組は、法律で血縁関係を作る、“法定血族”です。

 「配偶者」は、夫からみた妻、妻からみた夫です。

 「姻族」とは、AさんとBさんが婚姻したことによってできる、Aさんと、Bの血族の関係のことです。夫にとって、妻の両親や兄弟姉妹。妻にとって、夫の両親や兄弟姉妹が姻族にあたります。

 

 扶養義務があるのは、直系血族と兄弟姉妹、そして配偶者です。

特別な事情がある場合のみ、3親等以内の親族も扶養義務を負うことがあります。「ウチは特別だから扶養してね」と頼まれるのではなく、家庭裁判所で「特別な事情により、○○を扶養義務者とする」という審判によって義務を負うことになります。

 また、同居の親族には、互いに助け合う、互助義務があります。

 

 姻族についてみてみると、「親族」には「3親等以内の姻族」が含まれますから、同居している場合には互助義務があり、同居していない場合には、「特別の事情」があれば、家庭裁判所から扶養義務者と決められることがあります。(「特別の事情」の審判がなければ、扶養義務はありません。)

 

 この姻族関係は、離婚によって終了します。離婚をすれば、婚姻したことによってできていた姻族関係は終了します。離婚は夫婦の双方が生きているときにしかできません。

 夫婦の一方が死亡してしまえば、離婚をすることはできません。(それは「死別」ですから、残された夫婦の一方は、再婚することも可能です。)

 夫婦の一方が死亡した場合は、離婚ではないので、そのままでは姻族関係は残ります。妻と、死亡した夫の両親や兄弟姉妹とは、“姻族関係がある”ままです。それを届出によって終了させるのが、「姻族関係終了届」です。

 

 なお、「養子縁組」を終了させることは、「離縁」と言います。

 

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