司法書士 池田千恵のブログ

相続・遺言・親の終活をテーマに、わかりやすく解説していくブログです

相続できない人:相続欠格者(殺人関係)

Q50 相続できない場合はありますか?

A 「相続欠格者」は相続人となることはできません。

「相続欠格者」には、『殺人関係』と『遺言の偽造関係』があります。

 

『殺人』関係の「相続欠格者」は、次の通り。

  1. 故意に、被相続人または自分より先順位や同順位の相続人となる人を殺したり、殺そうとしたりして刑に処せられた者
  2. 被相続人が殺されたことを知っていながら、告訴又は告発しなかった相続人。

ただし、その人が是非の判断ができない場合、殺害者が自分の夫または妻あるいは直径血族(父母・子・孫等)の場合を除く。

 

 

 近年は、家族の介護に疲れ果て、とうとう父を、母を、夫を、妻を殺害してしまう、という悲しい事件も起きています。

 そんな場合でも、故意であり(過失ではなく、殺そうという意思で殺した場合)、殺人または殺人未遂で刑に処せられた場合には、相続欠格者となり、相続することができなくなります。

 

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所在地
〒444-0813
愛知県岡崎市羽根町字池脇6番地1
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ゆとりある老後生活費 34.9万円

親が75歳になったら、やっておきたい、たくさんのこと!!

ゆとりある老後生活費 34.9万円

 公益財団法人生命保険文化センターが、3年ごとに行っている「生活保障に関する調査」というものがあります。直近では、平成28年度に行われました。

 そこにこんな数字が載っています。

 

「老後の最低日常生活費」は、月額22.0万円

 

「ゆとりある老後生活費」は、月額34.9万円 

 

 これは夫婦二人で老後生活を送る生活費の平均値です。

 老後に夫婦二人で、ゆとりある生活をするには、月額34.9万円が必要だということです。

 

 一方、「平成28年版厚生労働白書資料編」には年金の受給額が出ています。

 

 平成28年度の国民年金(老齢基礎年金)は、月額65,008円

 夫婦二人なら、65,008円 × 2 =130,016円

 

 平成28年度の標準的な年金受給世帯の年金額(夫婦の基礎年金 + 夫の厚生年金)は、月額221,504円

 

 自営業などで夫婦ふたりとも国民年金の場合は

 ゆとりある老後生活費 - 国民年金(二人分) 

   34.9万円    - 130,016円  = △218,984円

 

 夫の厚生年金がある場合は、

  ゆとりある老後生活費 - (夫婦の基礎年金+夫の厚生年金) 

   34.9万円     - 221,504円 = △127,496円

 

 国民年金の場合は言うに及ばず、夫の厚生年金がある場合でも、ゆとりある老後生活費には足りません。

 その不足分をどうするかは、働く、預金を取り崩す、子供に頼る、お金を借りる、資産を売る等、いろいろです。

 

 あなたの親の場合は、どうですか?

財産の話は聞きにくいでしょうけれど、聞いておかないと、後で大変なことになる可能性もあります。

すぐに「年金はいくらもらっているの?預金はどこの銀行?定期預金にいくらあって、普通預金は…」と根掘り葉掘り聞き出す、というわけにはいかないでしょう。

しかし、親たちが老後資金をどう考えているのかは、聞いておく必要がありますね。後々、自分たちの身に降りかかってくるかも知れませんから。

 

「ねえ、ゆとりある老後生活に必要なお金は、平均月額34.9万円なんだって。お父さんやお母さんも、そう思う?」と、話を切り出してみてはいかがでしょうか。

 

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「終の棲家」となる施設・ならない施設

親が75歳になったら、やっておきたい、たくさんのこと!!

「終の棲家」となる施設・ならない施設

 「終の棲家(ついのすみか)」となるつもりで入所したのに、認知症が重くなったら、「出て行ってください」と言われてしまった!では困ります。

 

 老人福祉施設には、いろいろな種類があり、終の棲家となるものとならないものがあります。

 

 特養と呼ばれる、「特別養護老人ホーム介護老人福祉施設)」。これは終身居ることができますので、終の棲家となり得ます。

 

 一方、老健と呼ばれる、「介護老人保健施設」。ここは、もともと家庭復帰をめざす施設ですので、終身居ることはできません。つまり、終の棲家とはなりません。

 他にもケアハウスやグループホームなどがありますが、いずれも終身居ることはできず、終の棲家とはなりません。

 このような施設では、病気になったり、認知症が進んでしまったりした場合には、病院や特養への移転を迫られることになります。

 

 有料老人ホームは、施設によって、まちまち。

「ウチは、みとり(死を看取ること)をします」という施設なのか、「ウチは、みとりはしません。すぐに救急車を呼びます。」という施設なのかということは、入所するときに確認しておくべきことの一つです。

 「ウチはみとりをします」という施設でも、もちろん本人や家族が希望すれば、いざというときにすぐに救急車を呼んで、病院へ運んでもらうことができます。

 「ウチはみとりをします」という施設で、本人も「ここで最期を迎えたい」と思っている場合、それを家族全員がわかっている必要があります。

 家族の中に、「なぜ一刻も早く救急車を呼んでくれなかったのか?!だから死期が早まってしまったのだ!この施設を訴えてやる!!」などと言う人がいては、たいへんです。

 「みとり」に対してどんな対応をする施設なのか、本人はどう思っているのか、家族はどう考えているのか。

終の棲家の選定には、情報と家族のコミュニケーションが必要です。

 

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公正証書遺言が無効になる?

公正証書遺言が無効になる?

 公正証書遺言が無効になることって、あるのでしょうか。

 公正証書遺言は、公証役場で、公証人の関与のもとに作成します。

 証人も2名いて、公正証書遺言の作成に立ち会い、署名・押印しています。

 ですから、手続き上のミスが原因で無効になるということは、ほぼ考えられません。

 

 では、公正証書遺言が無効になるのは、どんな場合でしょう。

 

 実際に「遺言無効確認訴訟」において、よくあるのは、「遺言能力」が問題となる場合です。「遺言を作成した時に、遺言能力が無かった」となれば、たとえ公正証書遺言でも無効とされてしまうことは、あり得ます。

 

 「遺言能力」とは、そのものズバリ!遺言をする能力です!(当たり前ですが…)。

 

 「行為能力(自分で契約などの法律行為をする能力)がない」とされる被成年後見人でも、「事理を弁識する能力を一時回復した時」には、遺言をすることができます(医師の関与が必要)。

 つまり、認知症の人でも、判断力があるときには、遺言をすることができます。

 だから余計に「遺言能力(=判断力)」で争うことが多いのかもしれません。

 

認知症の症状があるけれど、今なら大丈夫!」として親に作ってもらった公正証書遺言が、他の相続人から「この日付の頃は、もう判断力が無くなっていた。遺言能力が無い状態だった。これは無効だ!」と言われ、訴訟になってしまうのです。

 遺言無効確認訴訟になれば、通常有効性の高い公正証書遺言を「無効だ」と主張する方が無効を証明しなければなりません。当時の診断書などを提出して無効を主張してくるわけですが、そう簡単に公正証書遺言の無効が認められるとは思えません。 

しかし、その訴訟をしている間(1年なのか4~5年なのかはわかりませんが)、ずっと嫌な思いをし続けなければならないことは、簡単に想像できます。

 

 ですから、「“後からもめる原因になるような遺言”を作ってはいけない」ということです。

 

 遺言は、遺言能力=判断力があるときに作るものです。

 判断力があるうちに、無効になる恐れのない、しっかりした遺言を作っておくことが重要です。

 

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「DNAR」心肺蘇生してほしい・してほしくない

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「DNAR」心肺蘇生してほしい・してほしくない

DNARとは、がんの末期や老衰などで救命の可能性がない患者に対し、本人の希望により、心肺停止状態になったときに心肺蘇生を行わないこと。

 

 重たい話ですね~

 誰しも、「そんなこと、考えたくない」というのが、本音でしょう。

 しかし、考えなくてはいけないときがあります。それは、老人ホームなどへの入所時。「DNAR:心肺蘇生してほしい・してほしくない」どちらかに〇を付けるようになっている紙を渡されたときです。

 

 特別養護老人ホームや、「みとり(死を看取ること)をします」としている有料老人ホームは、終身、居ることができます。つまり、死ぬまでそこに居ることができます。そうした施設では、いざ、死が目前に迫ったときの対応として、本人の意向を知っておきたいのです。そこで、入所時に本人の意向を確認するため、「意向確認書」等に記入してもらうわけです。

 

 ・この施設で死を迎えたいですか?それとも救急車を呼んでほしいですか?

 ・DNAR:心肺蘇生してほしいですか?してほしくないですか?

 ・延命治療を望みますか?望みませんか?

 

 重たい質問ばかり並んでいます。

 何も知らずにこの紙を見せられ、「さあ、どうする?」と聞かれても動揺するばかりです。本人だけではなく、家族も、並んでいる質問の重さにびっくりしてしまいます。

 

 DNARにしろ、延命治療にしろ、「今まで、そんな質問されたことがない」「そんなこと、考えたことがない」という質問をされることがあるのだ、ということを知っておく必要があるでしょう。

 質問の答えをはっきり決めておくことまでできなくても、このような質問をされることがあると知っておくだけでも、心の準備ができます。

 急にこのような質問をされて、うつ状態になってしまった…では、本末転倒。

「答えを考えなくてはいけない」と責める必要も、焦る必要もありません。

ただ、まず、知識として知っておく必要があります。

 

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